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糖尿病はグルカゴンの分泌異常!?

これ まで 糖尿病 は、 血液 中 の ブドウ糖 を 大手 の 消費者 で ある 筋肉、 脂肪組織 や 肝臓 に 取り込み、 エネルギー として 利用 する インスリン の 働き が 不足( 2 型 糖尿病) ないし 欠乏( 1 型 糖尿病) する ため に、 ブドウ糖 が 血 中 に ダブつい て 高血糖 となり、 血管 を 障害 する 病気 と 理解 さ れ て き まし た。

すなわち すべて は インスリン の 働き の 不足 から くる 病気 と 一元的 に 説明 さ れ て き たのです。


健常者 では 血糖 が 上がる と インスリン が 出 て、 グルカゴン が 下がり、 一方、 血糖 が 下がる と インスリン が 引っ込ん で、 グルカゴン が 前面 に 出 て き ます。
すなわち この 両 ホルモン は 血糖 の 動き に対して 逆 方向 に 反応 し ます。
この こと から グルカゴン は ブドウ糖 によって 抑え られる と 固く 信じ られ て き た のです。  
ところが 糖尿病 患者 さん では、 この 健常者 に 観 られる 関係 が 失われていたのです。

すなわち インスリン 分泌 の 枯渇 し た 1 型 糖尿病 では、 グルカゴン は 血糖 の 増加 に 反応 して分泌 が 高まる の です。  
つまり糖尿病 の α 細胞( グルカゴン) は〝 狂っ て〟 おり、 ブドウ糖 によって 抑え られ ず むしろ 分泌 が 高まる という 奇異 性 反応 が、 1 型、 2 型 を 問わ ず 糖尿病 の 根底 に あっ た。

なぜそのような誤解が生まれたかの理由ですが、「インスリン の 欠乏」 と「 グルカゴン の 過剰」 が 同じ 代謝 効果 を もたらす こと に 起因 し た と 思わ れ ます。
その ため すべて は「 インスリン の 欠乏」 の 結果 と 片付け られ て き た の でし た。  

もう 一つ は、 グルカゴン は 低血糖 側 で 働く ホルモン で あり、 高血糖 の 糖尿病 では グルカゴン は 沈滞 し た まま で、 取る に 足る 働き など し て い ない という 固定観念 によって、 グルカゴン が 糖尿病 の 高血糖 に 大きい 貢献をしていると考える人は誰もいなかったのです。

したがって、「 インスリン の 欠乏」 より「 グルカゴン の 過剰」 が 糖尿病 の 病態 形成 に 主役 を 演じ て いる という 逆説的 な 提唱 は、 インスリン 中心 に 固まっ た 糖尿病 学界 にとって、 まさに 青天の霹靂 で あり、 糖尿病 の 概念 を 根底 から 揺るがす 地殻変動 だっ たのです。


稙田太郎.著「糖尿病はグルカゴンの反乱だった」
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グルカゴン)
膵臓のランゲルハンス島のα細胞(A細胞)から分泌されるホルモン
血糖を上げる働き~肝臓のグリコーゲンを分解しブドウ糖とすることで血糖を上げる
グルカゴンはインスリン分泌を促進する・・・ふつう血糖が上がると、グルカゴンの分泌は減少するが、糖尿病患者では血糖があがるとグルカゴン増加するという現象が見られる

・2011年頃から、グルカゴンの異常が糖尿病の本態であるという考えが出てきている
・インクレチン関連薬はグルカゴン分泌を抑える働
・インスリンは栄養素が入るとどれでも分泌↑。グルカゴンは炭水化物で↓、タンパク質で↑。     
・インスリンの働きは、同化作用・・・外部からの栄養を細胞内に取り込む作用⇒栄養素が入るとインスリン分泌

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以下、日本大学医学部のサイトよりまとめ・・


「糖尿病治療におけるグルカゴン分泌制御の重要性」

はじめに

グルカゴンの主な生理作用は、肝臓のブドウ糖産生を増加させ、血糖値を上昇させることです。そのため、低血糖時のインスリン拮抗ホルモンとして認識されてきましたが、糖尿病においてグルカゴン分泌の調節異常が注目されるようになってきました。糖尿病では食前における血漿グルカゴン濃度の上昇、さらに食後における血漿グルカゴン濃度の抑制不全(あるいは上昇)がみられます。糖尿病における食後高血糖にはインスリン分泌不全とグルカゴン過剰分泌とが等しく寄与しているという報告があります。最近、グルカゴン分泌に注目した糖尿病治療が重要となってきています。



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グルカゴンの分泌


ブドウ糖、SU薬およびGLP-1のグルカゴン分泌に及ぼす影響(模式図)
ブドウ糖あるいはSU薬が健常な膵島に作用した場合は、α細胞に対する直接のグルカゴン分泌促進作用は、β細胞を介する間接的な抑制作用で打ち消され、グルカゴン分泌は抑制される。しかし、 β細胞の数と機能が低下している2型糖尿病の膵島に作用した場合は、グルカゴン分泌を促進する可能性がある。一方、GLP-1はα細胞に対する分泌促進作用がないため、効率よくグルカゴン分泌を抑制する。

ブドウ糖をはじめとする栄養素や各種ホルモンによるグルカゴン分泌制御のメカニズムに関して未だ定説はありません。ここでは主流と思われる見解や私たちの研究室のデータに沿って解説します。健常者にブドウ糖の静脈注射を行うと血漿グルカゴン濃度は低下(グルカゴン分泌の抑制)します1, 2, 3)。
ブドウ糖はα細胞を直接刺激してグルカゴン分泌を促進させますが、同時にβ細胞やδ細胞からグルカゴン分泌抑制因子(インスリン、ソマトスタチン、GABA、亜鉛イオンなど)も分泌させます。ブドウ糖のα細胞への影響を総和した結果はグルカゴン分泌の抑制として表れ、抑制因子の作用が刺激作用よりも強いためと考えられます(図 a)。インスリン分泌の低下している糖尿病患者では、ブドウ糖の静脈注射によるグルカゴン分泌の抑制の程度が小さくなります1, 2, 3)。私たちはブドウ糖によりβ細胞から分泌される亜鉛イオンがパラクライン機構によりα細胞からのグルカゴン分泌を抑制することを発見し、現在そのメカニズムの研究を行っています4)。
ブドウ糖と同様に、スルホニル尿素薬もβ細胞やδ細胞からのグルカゴン分泌抑制因子を刺激すると同時に、α細胞に対してはATP感受性カリウムチャネルの閉鎖による直接刺激作用を持っています(図 a)。健常者にスルホニル尿素薬を投与すると、間接的なグルカゴン分泌抑制作用が強くグルカゴン分泌は抑制されますが、インスリン分泌のない1型糖尿病患者においてはα細胞への直接刺激作用がやや強くなり、血漿グルカゴン濃度は上昇する傾向にあります5)。
食事による血漿グルカゴン濃度の変化は、食事成分やインクレチン(消化管から分泌され、インスリン分泌を刺激するホルモン)によりさらに複雑な制御を受けます。高蛋白食では健常者と糖尿病患者のいずれにおいても、血漿グルカゴン濃度は上昇します6, 7)。それはアミノ酸がグルカゴン分泌を直接刺激するからです。高炭水化物食における血漿グルカゴン濃度の変化は健常者と糖尿病患者では異なります。これにはインクレチンであるglucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)とglucagon-like peptide-1(GLP-1)が関与しています。GIPは食事により上部消化管のK細胞から血液中に分泌され、β細胞やδ細胞からの分泌を刺激する(グルカゴン分泌の間接的抑制)と同時に、グルカゴン分泌も直接刺激すると考えられています。健常者にGIPを静脈注射すると、グルカゴン分泌の刺激作用と抑制作用が相殺され、血漿グルカゴン濃度はほとんど変化しません8)。一方、GLP-1は下部消化管のL細胞から分泌され、β細胞やδ細胞の分泌を刺激することにより間接的にグルカゴン分泌を抑制すると考えられています(図 b)。α細胞への直接作用は現在のところ否定的です。健常者にブドウ糖や高炭水化物食を経口負荷すると血漿グルカゴン濃度は減少しますが、糖尿病患者では減少しないか、かえって上昇します6, 7)。2型糖尿病患者の血中GLP-1とGIPの血中濃度は健常者と同等であることより、消化管から分泌されるこれらのホルモンの量も健常者と同等と考えられます2)。ところが、2型糖尿病患者にブドウ糖と薬理量のGLP-1を同時に静脈から投与するとグルカゴン分泌は抑制されます。同様にブドウ糖とGIPを同時に投与するとグルカゴン分泌が刺激されます9)。以上の結果より、これらのホルモンが消化管から分泌される条件下において、糖尿病患者ではGIPのα細胞に対する作用がGLP-1の作用より強くなっていると推測されます。糖尿病状態になるとGIPのインスリン分泌作用(β細胞への作用)が低下し10)、グルカゴン分泌作用(α細胞への直接作用)が増強していると推測される現象は興味深いところです。今後の詳細な検討が必要です。
ところで、健常者と糖尿病患者の両者において高炭水化物食における血漿グルカゴン濃度は、ブドウ糖静注時にみられる濃度よりも高くなります。食事により消化管からはインクレチン以外の未知のホルモンも分泌されていると推測されます。それらのホルモン作用の総和はグルカゴン分泌を刺激する方向に作用するようです。インクレチン以外でグルカゴン分泌を刺激する消化管ホルモンとして、glucagon-like peptide-2(GLP-2)が挙げられています9)。



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グルカゴンの作用

グルカゴン受容体は種々の組織(心、消化管、腎、脳、脂肪組織など)に発現しており、これらの組織におけるグルカンゴンの様々な作用が知られています(表)。消化管蠕動運動の抑制作用は、消化管のX線及び内視鏡検査の前処置に臨床応用されています。グルカゴンの主な作用は、肝においてグリコーゲン分解と糖新生によるブドウ糖の産生・放出を促進し、血糖を上昇させることであり、これは低血糖時の救急処置に応用されています。健常者の空腹時において、グルカゴンはグリコーゲン分解により血糖値を上昇させます。一方、カテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが上昇している状態(低血糖時やコントロール不良の糖尿病など)では、糖新生の基質が血液中に豊富となり、糖新生による血糖値上昇が優位となります11)。



肝臓
増加:グリコーゲン分解,糖新生,脂肪酸化,肝細胞生残性
減少:グリコーゲン合成

膵島
インスリン分泌増加

消化管
腸蠕動抑制

心臓
陽性変力作用,解糖・ブドウ糖酸化増加

腎臓
糸球体濾過量増加,水再吸収増加

脂肪細胞
脂肪分解促進

中枢神経
ブドウ糖産生,食欲抑制
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糖尿病における血漿グルカゴン濃度とその影響

血糖値の調節に最も関与しているホルモンはインスリンと考えられていますが、グルカゴンの作用もそれに劣らず重要です。最近、糖尿病においてグルカゴン分泌の調節異常が注目されるようになってきました。糖尿病患者の空腹時血漿グルカゴン濃度は健常者より上昇し、肝の糖産生による空腹時高血糖の原因となっています12)。さらに、1型糖尿病におけるケトアシドーシスはインスリンの枯渇だけでは誘導されず、グルカゴンによるグリコーゲン分解、糖新生、ケトン体生成、および脂肪分解が関与します13)。
食事やブドウ糖負荷後において肝の糖吸収を促進させる因子としてもインスリンが重要とされていますが、グルカゴンはインスリンのこの作用に対しても拮抗的に働きます。糖尿病患者における食後の血漿グルカゴン濃度の上昇(抑制不全)は、肝グリコーゲン合成の低下と肝糖産生の不十分な抑制をもたらし、食後高血糖につながります14)。筋肉におけるブドウ糖の取り込み量は健常者との差はみられません。食後の高グルカゴン血症は、膵炎やステロイドによる糖尿病でも観察されていますので、高血糖状態でみられるインスリン抵抗性などによる2次的な現象と考えられています15)。
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インクレチンおよびその関連薬によるグルカゴン分泌抑制作用と血糖改善効果

糖尿病患者にGLP-1を注射すると食後の過剰なグルカゴン分泌が抑制され、食後高血糖の改善がみられます。血漿グルカゴン濃度は、 2型糖尿病において約50%、1型糖尿病において約20%まで低下します16)。GLP-1投与による2糖尿病患者の治療において、グルカゴン分泌の抑制作用による血糖降下度とインスリン分泌促進作用による血糖降下度は同程度であるという報告があります17)。一方、2型糖尿病患者において、食事負荷時にGIPを投与すると、血漿グルカゴン濃度が上昇し、血糖値も軽度上昇します18)。従って、GIPは血糖コントロールという面においては糖尿病治療薬として適さないと考えられています。
現在、2型糖尿病の治療において2種類のGLP-1アナログ製剤が使用されていますが、いずれの製剤も食後の血漿グルカゴン濃度を低下させることが報告されています。また、臨床研究レベルでは内因性インスリン分泌が枯渇した1型糖尿病患者でも同様の作用が報告されています。この結果は、GLP-1の刺激によりδ細胞から分泌されたソマトスタチンがグルカゴン分泌を抑制することを示唆しています。
dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬は国内で4製剤が使用されています。DPP-4阻害薬はGLP-1とGIPの両者の分解を抑制し、これらのホルモンの血中濃度を上昇させますが、結果的に食後血漿グルカゴン濃度の上昇は抑制されます。内因性インスリン分泌のみられない1型糖尿病患者へのDPP-4阻害薬の投与により、食後のグルカゴン分泌が低下し、食後高血糖が改善した報告があります19)。
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終わりに

最近まで、高血糖の原因としてインスリン分泌不足のみが強調されていました。ところが、GLP-1関連薬の登場を契機にグルカゴンの高血糖への関与が注目され始め、グルカゴンの分泌や作用に関する研究が盛んに行われるようになってきています。今後の糖尿病の治療は、インスリンとグルカゴンの両者の血中濃度を制御することを目的とした方向へ進むと考えられます。グルカゴンについて現在までの研究成果を簡単にまとめましたが、未だ不明な部分が数多く残されています。当教室ではグルカゴン分泌とその作用について、基礎的・臨床的側面の両方から研究を進めています。

分子栄養学(5)・・・副腎疲労その3 

副腎疲労ステージ3)

フェーズA
ステージ2の代謝性、免疫学的、神経学的な単一の臓器の機能障害が慢性的になってくる。

フェーズB
フェーズAの臓器が複数になってくる。
女性では卵巣や副腎その他へと。
この段階までは、なんとかだましだまし仕事をやっていくことができるかもしれません。
ただし、この時点でしっかりとした休息を足って体の回復に努めるべきです。
それは、次のフェーズCになると体のエネルギーレベルは崩壊レベルまで急落し完全にダウンしてしまうからです。

フェーズC
恒常性(ホメオスタシス)が崩れてくる。
食後の血圧不安定、アドレナリンラッシュ、低血糖、不安神経症などが出る。

フェーズD
生存を最優先するために余分なところのエネルギーをシャットアウトしだす。
消化、性欲、代謝を抑える。
エネルギーが枯渇するため、寝たきり状態になる。

このようなステージ3レベルの副腎疲労は、ステージ2レベルのものと比べてかなり重症と言えます。
したがって、このレベルでは毎日の生活の様々な面で支障をきたします。
1日の中でも動ける時間がほんの数時間ということになり、あとは寝るしかなくなってきます。


副腎疲労ステージ4)
副腎不全の病気、アジソン病と同じような症状になります。
急性副腎不全(副腎クリーゼ)が起こることもあり、いずれにしても要治療です。
脱水や低血糖、意識喪失、背中や腹部足部の痛みなどの症状が出る。

分子栄養学(4)・・・副腎疲労その2

副腎疲労の4段階)

ステージ1)
闘争と逃走反応の出ざるを得ないようなストレスにさらされて、体は警告反応を出している状態。
そのストレスを克服するために、コルチゾールなどのホルモンを出して体は反応している。
軽い疲労が出るが、肉体的・生理的機能不全はない。
ただし、パフォーマンスは知らないうちに落ちている。
コーヒーなどのカフェイン摂取などで、何気にやり過ぎしていることが多い。
副腎は過剰に働いている。

ステージ2)
ストレスの大きさが過剰になり、コルチゾールの産生が間に合わなくなっている状態。
より多くの休憩を必要とし、よく眠ったつもりでも疲れが取れなかったり、寝つきが悪くなったりする。
女性の場合、PMSや月経不順が出てきて、甲状腺の機能低下もきたしてくる。
この段階で病院にかかっても、多くの場合それほど検査結果に異常が出ないため、抗うつ薬のような薬の処方をされていることがある。

ステージ3)
コルチゾールが枯渇してくる状況。
体は自身を守るためにエネルギーを使わないような方向性へとシフトしだす。
うつ、線維筋痛症、不眠、集中力低下、エネルギー産生のために筋組織を壊すなど。

つづく

栄養について(3)・・・副腎疲労その1

副腎は左右の腎臓の上にある小さな臓器です。

ステロイド系のホルモンなど様々なホルモンを出していますが、ストレスや体の炎症に対処するために出しているコルチゾールというホルモンが重要です。

体には、慢性上咽頭炎、歯周病、腸の粘膜の炎症、ピロリ菌感染、脂肪肝による炎症など自覚症状に乏しい感染や炎症が起きていることがあります。

こういった状況が長年続いていると、コルチゾールを一日中出すことになり、コルチゾールが枯渇してきます。

すると、糖新生による血糖値安定の際に出るはずのコルチゾールも不足する事態となり、低血糖を起こすことになります。

このような状況では、体がひどく疲れますし、やる気が出ないなどうつ病に似たような不調が出ます。

この病態はまだ日本の病院では一般的ではないのか、あまり副腎疲労という診断が出ているのを聞いたことがありません。

しかし、実際にはよくある病態だと思います。
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自分でチェックする方法)

・ペンライトもしくはなければ懐中電灯を見にあてます。すると瞳孔が収縮します。ところが、副腎疲労がある場合、この縮瞳が2分以上キープできず、すぐに開いてしまいます(散瞳)。

・低血圧を起こすもっともよくある病態が副腎疲労です。起立性低血圧の多くは副腎疲労を原因としていると考えられます。
立ち上がって血圧は10~20ミリHg上昇しないケースは、脱水しているか副腎疲労かどちらかと考えられますので、水を飲んで再度10分後に検査して、やはり低ければ副腎疲労ということになります。

メモ・・・生化学に関して~PHの問題~酸塩基平衡

人の体は弱アルカリ性です。

しかし、動物性タンパク質や甘いもの、加工食品などを摂り過ぎると、体は酸性に傾こうとします。

すると、たとえば骨からカルシウムを出したり、呼吸量を増やして二酸化炭素を多く排出させたりして、体を弱アルカリに保とうとします。

そのような酸性・アルカリ性に関して、ウィキペディアより

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生体の血液の酸塩基平衡は一定のpH (7.4) になるように保たれている。

平衡を酸性側にしようとする状態をアシドーシス (en:acidosis)、
平衡を塩基性側にしようとする状態をアルカローシス (en:alkalosis) と言う。

血清pHが7.4未満になった(低下した)状態をアシデミア、7.4より上になった(上昇した)状態をアルカレミアと言う。
ともに全身の細胞にとっての環境の異常であり、上昇(低下)量が増大すると呼吸抑制から死に至ることもあるとともに、これらのpH異常は呼吸不全や腎不全など重篤な疾患の結果として生じるため治療の指標になる。
このpHの測定は血液ガス分析によってなされる。
代謝性アシドーシスを生じると、吐き気、嘔吐、疲労がよく起こるほか、呼吸が通常より速く、深くなる。
呼吸性アシドーシスを生じると、頭痛や錯乱がみられ、呼吸は浅く、遅くなる。


緩衝系

通常、酸塩基度が厳密に保たれているのは血液中に含まれる緩衝系の働きによる。これはホメオスタシスの代表的な例である。

緩衝系を代表し、最も大きな緩衝効果を持っているのが重炭酸イオン である。
水素イオンをうけとって
HCO 3− + H+ ⟶ H 2 O + C O 2 ↑
と二酸化炭素の形で排出することができるからである。

この重炭酸イオンを産生しているのは主に腎臓の尿細管である。


ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式

酸塩基平衡の理論としては物理化学のヘンダーソンとハッセルバルヒによる数式が有名であり、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式といわれる。


アシドーシス

アシドーシスは、体内の酸塩基平衡を酸側に傾かせようとする力が働いている状態。
軽症であったり、重症であってもアルカローシスと合併すれば、ホメオスタシスによってアシデミアにならない事もある。

呼吸性アシドーシス

呼吸性アシドーシスは呼吸不全によって二酸化炭素が体内に蓄積したために起こるアシドーシスである。
これはPaCO2の上昇する病態の存在が考えられる。
これは肺胞低換気の病態に等しく、呼吸器疾患、神経筋肉疾患、循環器疾患、レスピレーターの調節不全で起こりえる。
呼吸中枢から換気の指令が十分に行われない場合、これは延髄の呼吸中枢の障害や鎮静剤の抑制効果、代謝性アルカローシスの代償によっておこる。
呼吸中枢の命令に応じられない病態としては神経障害や横隔膜をはじめとする呼吸筋の障害や呼吸筋疲労が考えられる。
また、肺のレベルで呼吸を行っていても、閉塞性無気肺など上気道閉塞が起こっているときも代謝性アシドーシスとなる。
肺気腫、喘息でも同様の病態が生じる。
アシデミアが存在し、その原因が呼吸性アシドーシスである場合は基本的にⅡ型呼吸不全の状態であり緊急事態の可能性がある。
生命維持のためには気管挿管のうえ人工呼吸器を使用する必要がある。
なお、単に酸素のみ投与すると、呼吸中枢が抑制されるためむしろ呼吸停止をきたす(CO2ナルコーシスと呼ばれる)おそれがあり危険である。
軽症の場合は重炭酸イオンの増大のみが見られてpHは正常範囲内にとどまることがあり、補正された呼吸性アシドーシスと呼ばれる。
これは緩衝系による代償性代謝性アルカローシスが起こったためであり、慢性疾患の可能性を示唆する。


代謝性アシドーシス

代謝性アシドーシスとは酸性物質が排泄されない、不揮発性酸性物質が過剰に産生されている、重炭酸イオンが排泄されているなどの理由から起きるアシドーシスである。
なお不揮発性酸性物質とは呼吸によって排泄されない酸のことである。
代謝性アシドーシスによるアシデミアが存在する場合、緩衝系の働きとして二酸化炭素を排泄する呼吸性アルカローシスを用いてアシドーシスを打ち消そうとする。
よって呼吸が激しくなり、自覚症状として呼吸困難感を覚えることもある。

代謝性アシドーシスにはアニオンギャップ(AG)が増加するものと、増加しない高クロール血性代謝性アシドーシスがある。
AGの増加はそれだけで代謝性アシドーシスが存在するといえる重要な所見である。
気をつけなければいけないこととしてAGは低下する病態が存在することである。
具体的には低アルブミン血症、IgG多発性骨髄腫、ブロマイド中毒、高カルシウム血症、高マグネシウム血症、高カリウム血症が存在する。
特に低アルブミン血症のためAGの増加がマスクされることはよくあり、アルブミンが1mg/dL低下するごとにAGは2.5~3mEq/L低下することが知られている。
これはアルブミンがアニオンであるためである。
もしAGが増加していたら補正重炭酸イオンを計算する。
これは補正重炭酸イオン=重炭酸イオン+ΔAG(ΔAG=AG-12である)で計算され、これは代謝性アシドーシスを来たした陰イオンの増加分がなかったと仮定した場合の重炭酸イオンの値である。
そしてその値をもとに代償性変化が予測範囲内にあるかどうかを検討し、予測範囲外ならばどうような病態が合併したのかを考える。

AG増加性代謝性アシドーシス

AGの増加は不揮発酸の蓄積を示す。
人間の身体は電気的に中性である。す
なわち、陽イオンの価数だけ陰イオンが存在する。
陽イオンは主にナトリウムイオンであり陰イオンはクロールイオン、重炭酸イオン、有機酸である。
よってAGを以下のように定義すると大雑把に有機酸がどれ位あるのかを把握することができる。
AG=ナトリウムイオン-(クロールイオン+重炭酸イオン)である。
正常値は12±2mEq/Lである。
カリウムイオンを考慮することもあるがその場合は正常値が16前後となる。
内因性物質の代謝によるもの乳酸アシドーシスやケトアシドーシス、尿毒症で起こる。
ケトアシドーシスの原因としては糖尿病性ケトアシドーシス、アルコール性ケトアシドーシス、飢餓によるものが知られている。
また重要な原因としては痙攣発作後の代謝性アシドーシスもAG増加性代謝性アシドーシスである。
これは痙攣発作によって筋肉から乳酸が放出されるためと考えられている。
救急の現場ではAG増加性代謝性アシドーシスはKUSSMALと覚えられる。これは糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、サリチル酸中毒、敗血症、メタノール、アルコール中毒、アスピリン中毒、乳酸アシドーシスである。
外因性メタノール、エチレングリコール、サリチル酸、パラアルデヒドによる中毒で起こる。
特に外因性のAG増加性代謝性アシドーシスを疑う場合は浸透圧ギャップを計算してみると明らかになることもある。


高クロール性代謝性アシドーシス

AGが増加しない代謝性アシドーシスである。
頻度としてはこちらの方が明らかに多い。重炭酸イオンの喪失、尿細管での水素イオン分泌障害、塩酸の投与といった原因によって起こる。呼吸性アルカローシスの代償もこの機序で起こる。
重炭酸イオンの喪失下痢や尿管S状結腸吻合、アセタゾラミドの投与によって重炭酸イオンは喪失される。
また近位尿細管性アシドーシスでも重炭酸イオンの喪失は起こる場合がある。
尿細管での水素イオン分泌障害近位尿細管性アシドーシス、遠位尿細管性アシドーシス、尿細管や腎間質の疾患、低アルドステロン症では尿細管での水素イオンの分泌障害がおき代謝性アシドーシスにいたる。
なお尿細管性アシドーシスではしばしば低カリウム血症を伴うことが特徴である。

代謝性アシドーシスとカリウムの関係

アシドーシスは高カリウム血症を伴い、アルカローシスは低カリウム血症を伴う。
代謝性アシドーシスを生じるような病態では組織、細胞傷害や腎機能の低下が生じていることが多く、高カリウム血症になりやすい。それに加えて、代謝性アシドーシスではカチオンバランスの維持のため細胞内から細胞外にカリウムが移動するといわれている。
この機序ではpHが0.1低下するごとに血清カリウム濃度が0.6mEq/L上昇するといわれている。
しかしこの細胞内からの移動に関してはメカニズムによって異なることが知られている。
高クロール性代謝性アシドーシスではクロールイオンが細胞内に入りにくいため水素イオンが細胞内に入る代わりにカリウムが細胞外で排出されるが、AG増加性代謝性アシドーシスでは水素イオンが細胞内に入る際、アニオンである有機酸も一緒に細胞内に入るため、カチオンバランスが崩れることがなく、カリウムの排出は起こらないといわれている。
ただし頻度としては圧倒的に高クロール性代謝性アシドーシスの方が多いため、格言は一概に誤りとは言えない。
アシドーシスなのに低カリウム血症をきたす疾患としては下痢と尿細管性アシドーシスが知られている。

代謝性アシドーシスの尿所見

アシデミアがあり血清重炭酸イオン濃度が低下しているような状態では代償機構として尿を酸性化し、体内をアルカリに保とうとする。
腎機能障害がなければ尿pH は5以下に低下するはずである。
しかし尿の酸性化障害、尿細管アシドーシスがある場合はそのような代償機構が働かないとされている。
腎臓の水素イオン排出力を調べるには尿アニオンギャップを計算すればよい。
UAG=Na+K‐Clを定義する。
正常値は0である。
水素イオン排出が亢進しているとき、例えば下痢の時はUAGは-30程度の負に傾くが遠位尿細管性アシドーシスなど水素イオン排出力が低下した病態では25程度に増加している。

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アルカローシス

アルカローシスは体内の酸塩基平衡を塩基側に傾かせようとする力が働いている状態。
軽症であったり、重症であってもアシドーシスと合併すれば、ホメオスタシスによってアルカレミアにならない事もある。
やはり成因によって二種類に分類する。
アルカローシスの状態では血中のカルシウムイオンが血漿蛋白と結合してしまって濃度が低下し、テタニー、しびれなどの低カルシウム血症症状が見られる。

呼吸性アルカローシス

呼吸性アルカローシスは激しい呼吸のために起こるアルカローシスである。
PaCO2の下降する病態の存在が考えられる。
これは肺胞過換気の病態に等しく、中枢神経疾患、精神疾患、低酸素血症、薬剤、レスピレーターの調節不全で起こりえる。過換気症候群、ARDSなどが代表的疾患である。
二酸化炭素が過剰に排泄されて酸塩基平衡が塩基性に傾く。
この状態ではむしろ呼吸困難を自覚するためさらに呼吸が激しくなると言う悪循環に陥ることがある。
これが過換気症候群の病態と考えられている。低酸素血症を伴うとⅠ型呼吸不全となる。

代謝性アルカローシス

代謝性アルカローシスは、呼吸以外の代謝によって、水素イオンを喪失する、等して起こるアルカローシスのことである。
代謝性アルカローシスは一時的には血中HCO3-濃度を上げるような異常のプロセスが存在することである。
しかし、HCO3-は本来は糸球体で濾過されて尿細管にて再吸収されるのだが再吸収量に域値があるため正常人では大量にHCO3を摂取しても代謝性アルカローシスには陥らない。
すなわち代謝性アルカローシスをみたら、HCO3-の産出機構の他にHCO3-を排出できない病態、すなわち代謝性アルカローシス維持機構が存在していると考えなければならない。

代謝性アルカローシスの原因

これらは血中HCO3- 濃度を上昇させる因子である。
代謝性アルカローシス維持機構が存在しなければ、これらの原因で代謝性アルカローシスが持続することは考えにくい。
水素イオンの喪失頻度として多いのは嘔吐や胃液の吸引などである。胃液を排出することで水素イオンが消化管から喪失される。また尿中への排出されることもある。
頻度としては利尿薬の投与や鉱質コルチコイド過剰などがあげられる。
高カルシウム血症やペニシリン誘導体の投与でも起こりえる。
また重要な法則である低カリウム血症でおこるアルカローシスは水素イオンの細胞内移動によって血中からは水素イオンが失われる。HCO3-投与大量の輸血(クエン酸を含んでいる)やメイロンの投与である。

代謝性アルカローシスの維持機構

尿中のHCO3-排出を抑制するものがアルカローシスの維持には必要である。
頻度としては有効循環血漿量の低下によることが最も多い。
GFRの低下糸球体濾過量の低下であり、腎不全でおこる。HCO3-再吸収亢進有効循環血漿量の低下や低カリウム血症で起こる。
腎臓におけるHCO3-産出増加鉱質コルチコイド過剰、利尿薬の使用、高カルシウム血症、ペニシリン誘導体の投与はアルカローシスの発生機序でもあり維持機構でもある。


代謝性アルカローシスの尿所見

腎機能が正常の場合は尿中のクロールイオン濃度を測定することで原因がわかることもある。
尿中Cl濃度が10mEq/L以下の場合は循環血漿量の低下が強く疑われる。
このような代謝性アルカローシスの多くは生理食塩水の輸液によって改善が見込め、Cl反応性アルカローシスといわれている。利尿薬を用いていないにもかかわらず、尿中Cl濃度が20mEq/L以上である場合は生理食塩水の輸液では改善が見込めないためCl不応性アルカローシスといわれている。
Cl不応性アルカローシスの原因としては膠質コルチコイド過剰であることが多い。

嘔吐による代謝性アルカローシス

嘔吐がおこりHClが体内から失われると、細胞外液が減少し、脈拍の増加などの臨床所見がみられるにもかかわらず、尿中Na濃度は20mEq/L以上である。
通常は有効循環血液量が減少すると尿中Na濃度は10mEq/L未満となるのだが、嘔吐ではこのような反応がマスクされる。
これはHCO3-排泄のために遠位尿細管でNaやKを分泌するためと考えられている。
代わりに嘔吐では尿中Cl濃度が10mEq/L以下となるのが特徴的である。嘔吐が止まると、HCO−
3を排出しなくなるので、まずはNaの再吸収が正常に戻り、その結果水素イオンが分泌されるため、体内はアルカローシスにもかかわらず酸性尿が作られるようになる。
この状態では尿中Na濃度は10mEq以上となるがClは依然と低値のままである。
有効循環血漿量が改善するとようやく代謝性アルカローシスが改善してくる。
通常尿中Clの意義は尿中Naと同様であるが、代謝性アルカローシスの場合は尿中Naが体液量の指標にならず、尿中Clが指標となる。

アルドステロン症による代謝性アルカローシス

アルドステロン症ではアルドステロンの過剰のため、尿中のカリウムイオンの量が極めて多くなり、また酸性尿が生成される。
アルドステロン症の代謝性アルカローシスは低カリウム血症によるものと考えられている。
カリウムの欠乏がなければ、アルドステロン症であっても代謝性アルカローシスが起こらないか、起こっても比較的軽度である。アルドステロン症による代謝性アルカローシスはCl不応性アルカローシスである。

利尿薬による代謝性アルカローシス

頻度としては高いのはループ利尿薬、フロセミドの乱用による代謝性アルカローシスである。
このような状態では低カリウム血症にもかかわらず、尿中K濃度が比較的高い(10mEq/L以下ならば低値、こういったときは下剤の乱用も考える)のが特徴である。
尿中Cl濃度が高ければ利尿薬乱用の可能性が高まる。
しかしそうでなければ、かなり稀ではあるがバーター症候群の可能性がある。
バーター症候群と似た臨床像を呈する疾患としてギッテルマン症候群がある。
両者の鑑別には尿中Ca濃度を測定すればよい。バーター症候群では尿中のCa濃度が上昇していることが多い。
フロセミドの乱用(偽性バーター症候群)、バーター症候群ともに尿中Ca濃度が上昇する。
これは尿からのカルシウムイオンの排出が促進するからである。
高カルシウム血症ではその効果を期待して、多尿であるにもかかわらずフロセミドを治療として用いる。
利尿薬による代謝性アルカローシスの場合はアセタゾラミドの投与で改善しうる。
副作用としては高アンモニア血症である。
ダイアモックスを250~500mg/day投与する。

代謝性アルカローシスによる血圧降下作用

代謝性アルカローシスは、明らかな血圧降下作用を惹起すると指摘されている。
この作用がチアジド系降圧剤の降圧機序の一因子であることが指摘されている[1]。

混合性酸塩基障害の検出

酸塩基障害を起こす病体は数多くあり、それらは合併することが非常に多い。
そのためには正しく血液ガス分析を行う必要がある。
まずアシデミアがあるのかアルカレミアがあるのかを調べる。
基本的に代償機構ではアシデミアがアルカレミアになるような大きな代償は起こらない。
アシデミアがある時点で、呼吸性アシドーシスか代謝性アシドーシス、あるいはその両方が最初に起こったと考えてよい。

アシデミアあるいはアルカレミアが代謝性のものなのか、あるいは呼吸性のものなのかを考える。

AG=ナトリウムイオン-(重炭酸イオン+クロールイオン)を計算する。
AGが増加していればそれだけで代謝性アシドーシスの存在を意味する。
注意すべきはAGは低下する病態が存在することである。
具体的には低アルブミン血症、IgG多発性骨髄腫、ブロマイド中毒、高カルシウム血症、高マグネシウム血症、高カリウム血症が存在する。
特に低アルブミン血症のためAGの増加がマスクされることはよくあり、アルブミンが1mg/dL低下するごとにAGは2.5~3mEq/L低下することが知られている。
これはアルブミンがアニオンであるためである。
またAGが増加していれば補正重炭酸イオンを計算する。
これは補正重炭酸イオン=重炭酸イオン+ΔAG(ΔAG=AG-12である)で計算され、これは代謝性アシドーシスを来たした陰イオンの増加分がなかったと仮定した場合の重炭酸イオンの値である。

代償性変化が一次性の酸塩基平衡異常に対して予測された範囲内にあるかどうかを検討する。
この代償性変化が予測範囲を外れている場合は他の酸塩基平衡異常をきたす病態が存在することを意味する。
代償性変化以外の混合性酸塩基異常というものは比較的ありふれた病態であり、代償性変化の予測値を用いることでそれらを検出することができ、血液ガス分析の診断能力をあげることができる。
AGの計算は隠れているAG増大性代謝性アシドーシスを検出することである。
慢性腎不全のようにAG増大性代謝性アシドーシスと高Cl性代謝性アシドーシスは合併することが知られており、それを見落とさせように補正HCO3を計算する。
またアシデミア、アルカレミアに対しては代償性機構が働く。
全てのアシドーシス、アルカローシスに働くわけではない。
その範囲を予測することで範囲外にあった場合はそれ以外のアシドーシスかアルカローシスが存在すると考える。
これが基本的な考え方である。

例えば、慢性腎不全の患者が嘔吐をし、脱水を起こし、アルカレミアとなったときその原因は代謝性アルカローシスであり、代償性呼吸性アシドーシスが起こるのだが、上記プロトコールに当てはめると、AG増大性代謝性アシドーシスと高Cl性代謝性アシドーシスを検出できる。
また代償性呼吸性アシドーシスの予測範囲内にパラメータが入っていなければ、それ以外の呼吸障害の合併も考えることができる。
このように血液ガス分析を正しく行うことで診断の精度を高めることができ、治療のマネジメントの選択肢を増やすこともできる。
例えば、オピオイド投与中の患者で呼吸性アルカローシスの合併をみたら、まだ呼吸抑制が起こっても過呼吸が改善するだけなのでオピオイドを増量できるといったことである。

治療

基本的にはアシドーシス、アルカローシスは病態であり、病名ではないため、治療は原疾患の治療である。

呼吸性アシドーシスの場合は低酸素血症の治療として酸素療法、人工呼吸器、呼吸促進剤といった治療法を選ぶこともある。
Ⅱ型呼吸不全の患者に酸素投与を行うとき、換気抑制を防ぐ意味で呼吸促進剤を用いることもある。

代謝性アシドーシスの治療にはアルカリ剤の投与が行われる。
HCO3-の不足を補うため炭酸水素ナトリウムの投与が行われることが多い。

呼吸不全時の呼吸性アシドーシスが見られたときかつてはアシドーシスの補正のために重炭酸ナトリウム溶液を点滴するなどの処置がとられていたこともあったが、治療成績に変化はなく単なる補正の意義は小さいことが判明してきた。尿細管アシドーシスは根本的な治療法がないため、経口的に重炭酸ナトリウムを投与し続けることで補正を行っていく。
プロフィール

栃谷英樹

Author:栃谷英樹
S48年、奈良県生まれ、しん研良院院長(カイロプラクティックなどの手技療法を行う)

・高校時代…1日5時間勉強の受験漬け⇒自律神経失調症、十二指腸炎
・大学時代…体育会系のクラブとバイト・徹麻⇒慢性の胃痛、喉頭炎
・社会人時代(2年)…長時間労働と麻雀⇒胃痛、不眠症
・自営業と競技麻雀プロ(5年)時代⇒胃痛、肩こり・腰痛、初期肺気腫
・30歳にして自分の健康状態の悪化により競技麻雀プロをやめ、自分の健康を取り戻すべくカイロプラクティックなど代替医療の道へ
・30代…香芝市でカイロ院(しん研良院)開業
・40代…スーパー施術家になるべく臨床、研鑽に日々励んでいます。
・これから…自由自在に人の身体を観て施術できる優秀な手技療法家を目指します

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